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リブリオ行橋~集い・交流・情報発信する新しい図書館


長峡川沿い、行橋赤レンガ館の向いに不思議な形をした建物が誕生しました。この建物が行橋市の新しい市立図書館「リブリオ行橋」です。図書館が大好きな私はこの度、リブリオ行橋へ取材に行くことを決め、松田彰館長にリブリオ行橋の魅力についてたっぷりとお話を伺ってきました。

今までの図書館と何が違う?


周りを圧倒するほど大きく見えるリブリオ行橋。街並みがそう見せているのかもしれません。建物の中に入ると吹き抜けがあり、広々とした空間に「え?これが行橋の図書館?!」なんてびっくりした人もいたのではないでしょうか。
建物と設備はもちろんのこと、リブリオ行橋では旧行橋市図書館にはなかったサービスやシステムが導入されています。松田館長のお話をもとに、今までと異なる点をいくつか紹介します。

話し声OKの図書館

「シー!静かに!」と言われる図書館ではなく、人の話し声はOKなのです。3階には一般開架のほか、アクティブラーニングのスペースが設けられています。このスペースにはテーブル、椅子に加えてホワイトボードが何組も置いています。テーブルもホワイトボードとして使えるようになっています。実はここでグループ学習や数人が集まってアイデアダンプ、ブレインストーミングなどができるのです。斬新~!

ここがアクティブラーニングのスペース。今はコロナ対策でテーブルに一人しか座れないのが残念。(モデル:松田館長)

「えぇ?!じゃあ静かな空間で集中して勉強や読書はできないの?」と不安になった方、ご安心ください。4階は静かで落ち着いた環境が整っていて、読書・学習・研究に集中することができます。

電子書籍がある

リブリオ行橋には、電子書籍の貸出サービスがあります。電子書籍を借りる際には、始めにカウンターでの手続きが必要になります。電子書籍のサービスは、当初予想していたよりも利用が多く、全国の自治体から問い合わせが多数あるそうです。コロナウイルスの感染対策としては、外出することなく自宅から本を借りられるので非常に安全・便利なサービスです。

「あったらいいな」のサービスがある

1階にはコワーキングスペースや飲食可能な交流スペースがあります。200人収容可能なけやきホール、子どもたちが遊べる遊具・知育遊びができる機器を備えたプレイルームも1階にあります。

遊具や知育遊びができる機器をそろえたプレイルーム

2階は絵本や児童書のほか、託児もできるキッズスペースがあります。このキッズスペースは一面がガラス張りで、外からの光が差し込みとても明るく開放的な空間になっていて、子どもたちへの絵本読み聞かせにも使われます。

自然光がたくさん入る、広々としたキッズルームで託児と絵本の読み聞かせが行われます。

託児サービスとプレイルームの料金

託児 プレイルーム大人 プレイルーム子ども
市内 30分150円 2時間300円 2時間200円
市外 30分250円 2時間400円 2時間300円

色使いがチガウ!

リブリオ行橋に行ったら、色使いに注目してみてください。階段・エレベータ・児童書の階のフロアは、とてもカラフルで、気持ちが明るくなります。初めて階段やエレベータを見た時は、度肝を抜かれました。どんな色かは行って確かめてみてください。3,4階のフロアは落ち着いた色合いになっています。

コロナ禍での図書館利用状況は?

2020年4月オープンでしたが、その頃はコロナウイルス感染が拡大していた時期で、来館者は非常に少なかったのですが、緊急事態宣言が解除された5月以降、ぐんと増えて7月は20,000人*を超えました。(*ゲート通過人数)

現在は感染拡大防止のため、テーブル席の利用は4人掛けのテーブル席は1~2席のみ利用可能、長いテーブルは1席飛ばしに利用可能となっていて、ソーシャルディスタンス確保に努めています。中高生には学習席が大人気のようです。

利用者にまだあまり知られていないこと

開館時から次第に利用者が増えてきたところなので、まだ周知されていないことや建築家の想い・遊び心などについて、松田館長からお話を伺いました。

ICT技術の導入

インターネットコーナーではデータベースを利用して調べものをすることができ、館内で使えるタブレット端末(iPad)の貸出も行っています。

蔵書数は27万冊

一般向け図書は2万冊、児童向け図書は1万冊増えました。

建物の秘密

4階建物が真ん中辺りで上半分が少し回転してずれたような不思議な形をしています。実はこれには意味があるのです。下半分は旧大橋村の街並みに対面していて、上半分は長峡川の向こう岸にある行事村の街並みと対面しています。

4階からの景色

4階に上がり、川が見える場所に立ってみると、目の前に空調の配管が一部の視界を遮っています。実はコレ、計算されているのです。配管の下には川、配管の上には山が見え、丁度配管で街並みが隠れるようになっています。3階と4階の同じ方角の景色が全く異なるように演出されているので、確かめてみてください。

どんな図書館になっていくのかな?

3階にはスタジオが3つあり、サークル・グループ活動などでも利用できます。(有料)

生まれたばかりの行橋市図書館「リブリオ行橋」は、最新設備やシステムを導入した立派な建物ですが、ハード面だけでは地域の交流と知の拠点にはなりえません。そこでリブリオ行橋を地域に根差した有機体としてどのように育てていくのか、図書館が今持っている構想について伺いました。

交流の場として

1階にある「けやきホール」は収容人数200人。けやきと長峡川が見えて素敵。

地域の活性化と交流のため、地域の人・グループなどとのコラボイベントに積極的に取り組みます。今春の行橋まちなか文化芸術ウィークで開催されたイベントのひとつ「昭和のわだち」では、図書館内に地域グループによる「昭和の写真展」が、取材をした日は末松謙澄の関連書の展示が行われていました。コロナ禍ではできることが限られますが、できる範囲で前向きに取り組んでいきます。

地域ゆかりの情報集積に力を入れる

地域ゆかりの情報について、今後はさらに力を入れて集めていく方針です。市内の学生が調査やグループ学習のために利用でき、地域の人が図書館を使って得た情報を発信していける環境を整えます。

キーワードは「誰でも気軽に」

2階には絵本・児童書があり、明るく開放的。休日は子どもを連れた家族でにぎわいます。

松田館長にお話を伺う中で、最も印象に残っている言葉は「誰でも気軽にリブリオ行橋が利用できること」でした。本を読む人だけが利用するのではなく、地域の交流の場であり、情報が集まり発信する場でもあるリブリオ行橋に育てていけるよう、静寂が漂うばかりの図書館から一歩踏み出して、静寂も保ちつつ集い賑わい、みんなで学び合える新しい図書館作りを目指しているリブリオ行橋。これを実現するには図書館の力だけでは不可能だと思います。地域の人が図書館を活動の場として選び、図書館の人たちと一緒に「私たちの図書館」を作っていけたらいいなと感じました。

リブリオ行橋情報
・住所 〒824-0003 行橋市大橋3-18-1
・休館日 火曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始、特別図書整理期間
・開館時間 9時30分~20時
・駐車場 駐車券をサービスデスクの認証機に通すと3時間まで無料
リブリオ行橋ホームページ

ABOUT ME
あゆみ
あゆみ
フリーランスで美容&医療ライター・薬事チェッカー・校正者・てくてく京築ライターとして活動。過去に臨床検査技師から研究開発職にキャリアチェンジし、化粧品開発者として10年勤務。 学生時代は英語オンチ、今は洋書オタク。洋書が好きすぎて、商業出版しちゃうほど。『ピーターラビットで学ぶ!英語イメージ楽読術』(主婦の友社)の著者。尼崎市出身、行橋市在住。「英語絵本の会」代表。