こんにちは。ママライターのちひろです。
2019年9月から、私たちが受講した築上町ママライター養成講座。今回は、第2回目9月27日(金)と第5回目10月25日(金)の2度にわたり開催された、有村千裕先生によるライティング講座に紹介したいと思います。
講師の紹介〜有村文生塾代表・有村千裕先生
ではまず、講師に来ていただいた先生について紹介を。
有村文章塾代表、有村千裕先生。福岡出身。
読売新聞の元記者で、2011年に大分市局時代の取材をもとに講談社から「あっこと僕らが生きた夏」を出版。翌年には同作が土曜スペシャルドラマに。
2014年に「有村文章塾」を始め、西南大学などで就職活動の文章添削や講座を行っています。
有村文章塾 https://www.ari-go.com/
久しぶりに触る原稿用紙にドキドキ
ライティング講座は、作文や表現方法の基礎について座学を交えつつ、講義のその場で、テーマ、「○○字以内で」という指定文字数、「○○分で」と制限時間が言い渡され、書いては添削、書いては添削のエンドレスでした。
目の前のまっさらな原稿用紙と格闘し、
脳みそは久しぶり(20年ぶりくらい?)のフル回転!
時計をチラ見しつつ、文字もふるえる緊張感!
(講座後の)半端ない疲労感、そして達成感!
そんな計2日間、のべ10時間でした。
…ちなみに、講座で書いた文章は、マイクが手渡され、その場で自分で読み上げます。それぞれの作文、それに対する先生からのダメ出しを全員で聞くのです。
みんなの前で自分の文章を発表するのは、モチロン恥ずかしいし緊張しました…!
ですが、
同じテーマを与えられても人によって表現が違っていて、それぞれの個性が垣間見られて、「すごいなぁ」と感心したり、「そんな切り口が」と驚いたり。
それに、自分の評価は緊張してあたふたするけど、他人の評価は冷静に聞くことができたりと、とっても勉強になりました。
実際に講座で書いた課題文。最初と最後で進化はいかに!?
講座1日目、一番最初に書いたフレッシュな所感
実際に講座内で原稿用に書いた作文はこちら。
『9月27日、秋風薫る中、ママライター養成講座に子育て中のお母さん10人が参加した。第2回目の講座では、有村文章塾代表の有村千裕先生にライターの基本のキを教わった。「メモは死ぬほど取れ!」マイク片手に立ち上がり熱く弁を振るいながら、興味を持ち、情熱を持って取材にあたることの大切さを語った。私も「伝えたい」という気持ちを大事に熱いココロで文章を書いていきたい。』
恥ずかしながら・・・。何が?何を?ダメだしいっぱいです。
「漠然ワード」を使わない。
…これは先生が示した明確なルールでした。
漠然ワードとは、はっきりとした物言いを嫌い、曖昧なまま言外に匂わせたり、空気を読ませたり、遠回しな言い方でお茶を濁すといった、日本人の最も得意とする表現。
ライティングで使ってしまうと、途端に「何が言いたいのか」を曖昧にし、伝わらない文章を生んでしまうのです。
日常生活をたくさんの漠然ワードで曖昧にすり抜けながら生きてきた私には、「漠然ワードを使わない」というのは大変難しい課題で、講座中に何度も指摘されました。
有村先生は言葉の端々に作文への情熱と愛情がほとばしっていて、それがとても魅力的に感じたのを覚えています。可愛らしい外見とは裏腹に、あえて「漢」という漢字を使わせていただきました。
宿題なので制限時間はありませんでしたが、160字以内という指定文字数の中でいかに情報を伝えるか苦心しました。
字数が少なければ少ないほど、練り上げるのが難しいのです。
2回目のライティング講座、最後の課題。テーマは「文章」でした。
『泣きたくなるような文章に出会うことがある。見たこともないのに情景が浮かぶような、聞いたこともないのに洪水のように頭に音楽が流れるような、会ったことのない誰かの頬の温もりを感じるような。そんな文章に出逢ったら心の片隅にメモを取ろう。
サルは言葉を発さない。人間だけが言葉を使う。言葉を使い、言葉と共に進化を遂げ、言葉によって救われもし、時に死にたくなることもある。
そんなとき、引き出しのメモは誰かの心をなぐさめるかもしれない。』
…実はこの日、先生が新聞記者時代に取材され、のちに出版されドラマ化された最初の記事を読み、不覚にも涙が出ました。
小説で泣くことはあっても、新聞記事で泣いた経験は初めてでした。
どうしてそんな文章が生まれるんだろう?そう思ったのが、書きはじめのきっかけでした。
「言霊」という言葉があるように、言葉には力があると思います。言葉によって力を得たり、逆に追い詰められたりするというのは、私自身の実感です。
講座で得た学び。文章への捉え方に変化が。
「伝えわる文章とは何か」。それを考えるきっかけになったライティング講座でした。
講座を受ける前はただ漠然と読むだけだったのが、受講後は、筆者がどういう意図で書いたのかを考えるようになったのです。
「いいなぁ、素敵だなぁ」と思う文章に出会ったときは、特に。
4W(when/いつ、where/どこで、who/誰が、what/どうした)をどう組み込んでいるのか。
2W3H(why/なぜ、whom/誰に、how/どのように、how many/いくつ・何人、how much/どのくらい)をどう記しているのか。
起・承・転・結をどう組み立てているのか。
五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)をどう表現しているのか。
全体を通して、何を伝えたいのか。
どう感じて欲しいのか。
…「この出だし文章よ。この感性が自分に欲しい」とも。
伝わる文章ってどんなもの?
例えば同じことを言っているのに、どうして心に響くものとそうでないものがあるのか。違いはどこにあるのでしょう。
一番大事なことは、「読み手を想像すること」かもしれません。
どんな人が読むの?
どんな顔で読むの?
楽しんで欲しい。知って欲しい。わかって欲しい。
そのためには、どんなふうに言おうか。
どうしたら伝わるのかな?…と。
もしかして、必要なのは「思いやり」や「愛情」?
これはライターとしてだけでなく、生きていく上でも大切なものですね。
足りていそうで足りておらず、求めれば限界がない。
だから、
「これだ!!」という明確な答えは出ないけれど、
「どうしたら伝わるかな」と追求をやめずに書き続ければ、その先に、自分なりの答えが見つかるのかもしれません。
ぜひ、見つけたいものです…!
さて。
ちょっぴり照れ臭いシメとなったところで、、、
おあとがよろしいようで。
最後になりましたが、
有村千裕先生、熱情あふれる講義の時間を、どうもありがとうございました。