京築ママライターのあゆみです。2019年に行なわれたママライター養成講座の中から、第4回目に現役ライターとして活躍されている谷口講師にお越しいただき、取材に関する講義を拝聴し、取材体験もさせていただきました。今回はこの日の講座の内容を詳しくご紹介します。
現役ライター谷口講師の紹介
フリーライター&エディターとしてご活躍の谷口淑子(たにぐちよしこ)講師は、北九州の情報誌「おいらの街」編集長を経て、フリーランスの道へ進まれました。フリーランスライターとして活動するなかで様々な困難に直面した経験から、2006年に任意団体「北九州ライターズネットワーク」を立ち上げ、メンバーが協力し合って困難を乗り越える組織作りに取り組まれました。
やわらかな物腰からは想像もつかないような、仕事に対する厳しい姿勢をお持ちの女性です。それを裏付けるような経歴を拝見し、理想のライター像と今の自分のギャップに気づかされました。
主なお仕事
- 航空会社スターフライヤー機内誌「Mother Comet」の人気記事「デザインのある光景」を担当。
- 井筒屋グループ社内報。ホームページ取材全般
- 西日本新聞発行「てくてく」デスク
- 北九州市「ゲンバ男子女子」「ケンセツ男子女子」取材・原稿執筆など
講義内容~表に見えない作業が取材の成否を決める~
「取材」というと、誰もがその光景を思い浮かべることができると思います。それだけに取材がどんなものであるかわかっている気がするのですが、講義内容は実際にお仕事として経験しなければわかりようのない下準備や確認事項、その他心得ておかなければならないことが盛りだくさんでした。
前半は講義で、後半が実践という構成になっていたこの日の講座内容について紹介します。
講義~取材を成功させるために必要なこと~
前半の講義では「取材の準備」「当日」「取材後」に分けて、大切なことを教えていただきました。
どの段階も大事ですが、特に取材は当日までの準備と確認作業が大事であることを知りました。中でもアポイントは取材の成否を分けるといえるほどだそうです。なぜなら、取材先にアポイントを取る時の印象次第で、快く取材を受けてくださるかが決まるからです。
あまりに印象が悪いと取材を拒否される場合だってあるのですから、絶対に失敗できません。
講義では、「もしも取材先が電話にも出てくれなかったらどうする?」という問題を出され、私たち受講生が知恵を絞って解決策を発表する場面もありました。解決策が見いだせても、「じゃあこんなときは?」という問いが次々飛んできて、いろんなシチュエーションを考えるうちに、相手の立場や状況にどれだけ配慮できるかが解決策を見出す糸口になると気づきました。
実践~取材体験はプールで浮き輪をつけて泳いだ感じ~
前半の講義の終わりに、午後から取材をさせていただく2店舗の発表があり、受講生が割り振られました。そしてあらかじめ考えておいた質問を手に、ドキドキしながらお店を訪問しました。今回の取材先の方には、事前に講師より私たちの取材体験であることが伝えられていたので好意的に接してくださり、難しさといえば何をどのように質問するかだけでした。例えるなら大海原へ泳ぎ出す前に、プールで浮き輪をつけて泳いだような感じでした。
講義ではライターの心得として、取材先では営業の邪魔にならないように気をつけること、取材は長時間にならないよう1時間程度で切り上げること、感謝と謙虚さを忘れないがポリシーは曲げないことなどを教わりました。今回の取材体験では、それらすべてに気が回らないという経験もできました。
また、雑談は場の雰囲気を和ませ、思いがけないエピソードが聞けるかもしれないので、大事であることを学び実践しましたが、どう見ても私たちの緊張をほぐすために、お店の方が雑談にお付き合いくださっていたような感じでした。
講座を終えて~自分らしい取材を
午前と午後の部は、あっという間に終わってしまいましたが、学んだことは盛りだくさんでした。
取材の難しさを実感
プロに聞く取材の実際は、準備すべきこと・確認すべきこと・下調べ・質問の準備・取材の礼儀など、本当に細かく緻密でした。これらは机上でいくら考えても、想像しても、体験して冷や汗をかいたり失敗したりしなければ身につかないものだとも思いました。
だから失敗を恐れず、けれどプロとして許されない失敗は未然に防ぐべく、細心の注意を払って取材に取り組まなければならないということがわかりました。
取材スタイルは自分で作る
取材のスタイルは様々かもしれませんが、第一線で活躍されている現役ライターの取材スタイルを学べたことは貴重な経験でした。谷口講師の講義だけではなく、この講座を通してわかったことは、取材のスタイルは人それぞれ。必ず押さえておくべきことを学んだら、経験を積みながら自分らしいスタイルを築いていくことも大事だと思いました。
困難を乗り越えて成長したい
今はまだ、たくさんの先輩方のやり方を学んで吸収する時期。これから実践で困難なことがあるだろうし、くじけそうなこともあるかもしれません。けれどもこの講座で学んだことを思い出し、京築ライター仲間と一緒に一つ一つの困難を乗り越えて、たくましく成長していきたいです。