暮らし

古民家DIYでおうちカフェ★みやこ町犀川

京築ママライターあゆみです。京築には古くなった使い手のいない民家がたくさんあると聞きます。
今回は空き家になってしまった家屋を再び蘇らせて有効に活用している、犀川にお住まいの岩村誠さんを訪ねました。

DIYで古民家をおうちカフェに

おうちカフェのテーブル家族でまったり、時には友人を招いておしゃべり。

元は古民家だったという「おうちカフェ」。その空間に足を踏み入れた途端、居心地の良さとどこを切り取っても絵になるハイセンスなインテリアにびっくりしました。
岩村さんは美大卒で、今も絵をお描きになるのでご自分の絵と、その他これまで手に入れた好みの絵画があちこちに置かれています。和と洋が融合した、とても雰囲気の良い空間。

無造作に置かれた絵画無造作に置かれた絵画が、この空間を落ち着かせるのに一役買っていそう。

下の写真はおうちカフェのビフォーアフター。

ビフォーアフター芸術品に囲まれ、落ち着く空間。ビフォー写真は右下枠の小さな写真。

今の漆喰の壁が素敵です。プロの手を借りず、全部自分たちで行ったそうです。段々と仕上がっていく工程も楽しいと思います。ほぼ完成しているおうちカフェ。まだ細かい部分に手を加える予定があるそうです。DIYに着手してから2021年の11月で2年が経ちます。

センスあふれるインテリア

素敵なインテリアポストカードにできそうな、絶妙なバランス感覚がすごい。

居心地の良い空間を作るのに欠かせないのはインテリア。岩村さんのセンスが光ります。お話をお聞きすると、見るだけではわからない細かな気遣いもされているので、またまたびっくりです。
「絵画は好みもあるけれど、場の雰囲気にあったものを選ぶ目は大事」と岩村さん。私も自宅に飾る絵が欲しいし、将来住む家は今よりももっと田舎なので、空間を埋めてくれる素敵な絵を選ぶ際に、相談したいと思います。

絵だけではありません。私は本が好きなので、独創的な本棚に目が釘付けになりました。
「こんなところに本棚を!」「しかも棚の長さが違う!素敵!」
ほんの少しの間隔や長さで、雰囲気が変わると思います。規則性のないような、それでも空間に溶け込んでしっくりくる本棚がとても気に入りました。

大きな本棚大胆に配置された本棚。存在感たっぷりなのに、威圧感は全くなし。

天井も素敵。色使いもきちんと計算されているのです。

宙に浮く本棚奇抜なアイデアの本棚

ここまで作り上げるまでの材料費が気になるところですね。断熱材などの建材はいくらか購入したそうですが、多くは頂き物を有効活用したり、アンティークなものは骨董屋さんやネットオークションを利用して安く入手されたそうです。
岩村さんはこの古民家のDIYだけではなく、後ほど紹介する自宅のお庭もDIY。使った道具や材料の中には、売っていない物もあります。「こんなのがあったら・・・」を叶えてくれる人といえば?先日「けいちく暮らし」で紹介した、竹製ハンガーをはじめいろんな便利なものを創作する小澤さん。DIYに必要な、でもどこにもないものを小澤さんに依頼して作ってもらったそうです。小澤さんの技術と岩村さんのデザインのコラボを見ることができ、すっかり小澤ファンになってしまった私には、嬉しい驚きでした。

竹製ハンガー4本
竹製ハンガーの作り手は「アイデアを形にする」名人行橋に竹製ハンガーを作る小澤正人さん。行橋市行事で「今あるもの」でもっとよいものを作ろうと、毎日ものづくりに取り組む「アイデアを形にする」名人だった。工業系の大学で学んだことをベースに試行錯誤を繰り返しながら学び、機械の修理から家の設備の修理をする。興味のあることをとことん追求する姿勢を貫く小澤さんの元には、さまざまな方面の専門家が訪れる。...

必見の異国風お手洗い

おしゃれなお手洗い1お手洗いも西洋風で、とってもおしゃれ。

細部までこだわりが感じられる古民家のDIYに、もう一つの驚きが待っていました。「トイレ見る?」と言われ、岩村さんについていくと異国風なお手洗い。ここにもこだわりがたくさんありました。
壁やランプはもちろん、手を洗うスペースも上品な雰囲気です。扉を開けてからドーンと真っ直ぐ突き当たりにトイレがあるのではなく、ちょっと狭い通路を曲がると現れる空間というのも素敵です。

おしゃれなお手洗い2落ち着く雰囲気のトイレ空間。

本当に居心地良いから長居した

普段の取材はママライター養成講座の教えに従い、長くても1時間半を目処に、大概は1時間程度で終了するよう努力しているのですが、今回は(も?)取材を忘れそうになる程、いろんなお話を伺っているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

縦開きの格子状窓西洋テイスト漂う、縦開きの格子状窓が素敵。

話をしながらも時々写真を撮影するのですが、どこを切り取っても絵になるような空間を作るには、センスが必要だと感じました。美術系が得意な人はいいですね。
おうちカフェというだけに、奥様がすぐにコーヒーを淹れてくださいました。私はコーヒーが大好きなのですが、今まで味わったことのない風味。お聞きするとコーヒーにもこだわりがあって、いつもお取り寄せしているのだそうです。おうちカフェを作ってからは、コロナウイルスのこともあるのでカフェを探しに外へいくことが減ったそうです。なんとこの日はケーキまで頂いちゃって、まったり過ごさせていただき、外出しなくてもいいかと思える気持ちがよ〜くわかりました!
今はコロナウイルス感染予防のこともあり、ご友人を積極的に招くことは控えていらっしゃるようですが、近くの親しい数人の方は時々お見えになるとのことでした。

おうちカフェの外にもこだわりが

外から見たいただき門中津の能舞台への門「いただきもん(門)」の外側。

今回取材に伺った目的はまだあります。それは上の写真にある「門」です。なんとこれ、いただきもの=いただきもん(いただき門)なのです。門の両端はご自分で石を積み上げたのだそうです。
門をくぐると素敵なお庭が広がります。このお庭もDIY。石を頂いたので、石畳も作られたのだとか。長さはおよそ33mで、かなりの重労働だったと伺いました。
お庭に沿って竹の塀が続いていますが、これもDIYで長さは22mです。

中から見たいただき門中津の能舞台への門「いただきもん(門)」の内側。

門をくぐって、中からみた門が上の写真です。

パワーストーンを置いたお庭パワーストーンのある手作りのお庭。

お庭の大きな石が2つありますが、岩村さんのこだわりが表れています。慈母観音岩(右)と無著菩薩岩(左 むじゃくぼさついわ)と名付けているのは、形が似ているからだそうです。
余談ですが岩村さんは石が大好きで、おうちカフェには石にまつわる本がたくさんあります。その他郷土史に関する本も、古本屋さんで見かけては収集されています。ちょっとした図書館みたいです。

まだまだ続く古民家DIY

実はご自宅以外にも、現在古民家の再生に取り組まれている場所があります。今回はちらっと現場で撮影した写真を1枚お見せします。現在改装中のところを岩村ご夫妻にご案内していただきました。
岩村ご夫妻
息子さんの岩村宗一郎さんと一緒に、こちらの改装に取り組まれているそうです。こちらの様子も取材しており、「けいちく暮らし」に掲載する予定です。お楽しみに♪
長時間の取材に丁寧に対応していただきました岩村さんご夫妻、ありがとうございました。

ABOUT ME
あゆみ
美容&医療ライター、美容・医療分野記事広告類の法令チェック・リライト、記事の編集・校正・校閲、薬事コンサルティング、西日本新聞社発行の地域情報紙「ファンファン北九州」ライター。過去に臨床検査技師から研究開発職にキャリアチェンジし、化粧品開発者として10年勤務後、大学で法学を学ぶ。 学生時代は英語オンチ、今は洋書オタク。趣味が高じて『ピーターラビットで学ぶ!英語イメージ楽読術』(主婦の友社 2014年)を商業出版。尼崎市出身、行橋市在住。「英語絵本の会」代表。