科学技術の進歩とともにスピードアップ・効率化が進み、ストレスで疲弊して心身の不調を訴える人が増えています。そのため近年は、体の健康だけではなく、心の健康の大切さが広く認識されるようになってきました。心身の不調は大人だけではありません。特に子ども達は心が疲れたとき、大人の助けが必要なことがあります。
もっと楽に生きていけたら! そう思うのは、私だけではないと思います。今回は行橋市で訪問看護を通して、生きづらさを抱える子ども達やそのご家族を支援する「株式会社myplace」代表の井上真生さんに、詳しくお話を聞きました。
心の不調は誰にでも起こりうる
特別な個性、または強い個性を持っているという理由で、悲しい・つらい・しんどい思いをした人は意外と多いと思います。特に日本社会では、子ども時代から社会性や協調性を求められるので、その評価基準が重視されがちです。日本は不登校・ひきこもり率が他国と比較しても高いと言われています。「みんな同じ」を評価する環境になじめない子には、窮屈で居場所がないように感じてしまうのかもしれません。
一人一人違うのですから、器用にこなせる子がいれば、そうではない子もいるのが当たり前。自分の個性や才能をうまく発揮できない環境にいると、本人も周りもつらい気持ちになってしまいます。でも本来は、みんなが異なる才能を持ち、輝く存在なのです。
井上さんが立ち上げた訪問看護サービスは、毎日の生活の中で困り事がある子どもを訪問して、子どもが再び自信を取り戻して自分の足でしっかり立てるようにサポートします。
「どの子も本当に素直で良い子が多い」と井上さんは語ります。個性が強めだと、浮いてしまったり居心地が悪くなって、生きづらさを感じてしまいがち。訪問看護サービス「りばてぃ」はその子らしさを大切にして、今よりも楽に生活できるようにチームでサポートできる体制を作っています。
訪問看護「りばてぃ」ってどんなサービス?
井上さんに聞いた具体的なサービス内容をまとめました。
訪問看護「りばてぃ」の役割は3つ
- 子ども本人の「困り事」「将来こうなりたい」に寄り添う
否定せずに子どもの思いを後押し、将来の夢を具体化してイメージを持たせるなど - 保護者や養育者への支援
専門的なアドバイスと適切な支援を行い、保護者や養育者が笑って子どもと接することができるように、気持ちの余裕を作るお手伝いをする - 他の機関との調整役
学校、医療、療育、福祉事業所間の連携ができるように調整を行う
支援の頻度や内容は?
まずは取り組む課題を明らかにして、その解決策として具体的な支援方法を提案し、実施します。一人一人課題が異なるので、個別の対応が必要となり、支援内容はさまざま。
訪問の頻度、1回あたりの時間、料金は次の通りです。
訪問の頻度 | 状況を見て月1回から週3回の範囲で調整可能 |
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1回あたりの時間 | 移動を含めて1時間 |
料金 | ひと月600円(子ども医療が利用できる) |
その他 | 京築地区のみ対応 ※主治医の指示書が必要です |
「りばてぃ」は担当固定制ではありません。複数人で1人を見ていると、違う視点からより良いアプローチに気づくことがあるのが利点です。
子どもはいつも同じではなく、状況や成長過程によって「今この子に必要なこと」が変わります。また話をするときには散歩に出かけたりして、その時必要な環境づくりを大事にしています。
個性を大事にして生活できるような支援の具体例
主な内容はSST(ソーシャルスキルトレーニング)と認知行動療法を意識した思考や行動の改善です。その子に必要なことを時期や場所でその都度判断し、感覚刺激を鍛える療育または生活訓練を可能な限り取り入れます。これまでセミとり、魚釣り、料理などを行ったことがあります。
訪問看護「りばてぃ」のサービスを受けるにはどうすればよい?
訪問看護サービスを受けるためには、主治医からの訪問看護指示書が必要です。発達障害などでかかりつけの病院がある場合には、主治医に指示書の交付をお願いしてみてください。
今まで一度も病院を受診したことない場合、どんな所で何をするのか不安だし、何となく敷居が高くていきなり病院に行くことを躊躇してしまうのは当然のことです。まずは受診やサービスの利用に関して気になることがあれば、身近な相談窓口の一つとして、私たち「りばてぃ」に遠慮なく何でもご相談ください。
訪問看護「りばてぃ」の無料相談
無料相談は次の2通りの方法で受け付けています。
無料相談の受付窓口
当社のホームページMyPlace(外部リンク)から、メールでご連絡いただけます。営業時間内であれば、電話でも受け付けています。
「訪問看護 りばてぃ」の公式LINE(外部リンク)からのご連絡もお待ちしています。
私たちは発達障害を支援しているわけじゃないんです。子どもの個性や特徴・環境なども含めて”その子”を見ています。もしその子の個性や特性が生きていく上で障壁になるのなら、私たちがサポートします。社会的支援を受けて生きる力や知恵をつけることができるので、家庭だけで何とかしようと思わなくても大丈夫です!
子どもの訪問看護サービスを開始したのはなぜ?
なぜ訪問看護サービスを始めたのか、どのような思いで取り組んでいるのか、代表の井上さんの思いをQ&A形式でまとめてみました。
Q: 訪問看護を始めるきっかけは?
A: 病院で働く看護師として、精神科と発達障害に長年関わり支援を行っていくなかで、患者さんと保護者の懸命な想いと苦悩を知りました。どうにかしたいけれど、病院でできることは限られます。どういうことかといえば、家にいる子どもに対して支援が必要なときに、病院の看護師は寄り添えないのです。そこで生活の場に入って子どもの支援ができる、在宅医療の道を選びました。
Q: 必要なところに支援が行き届いていると感じますか?
A: まず、支援が必要と思われる子どもの数に対して、実際に求められる支援の数が少ないように感じます。その原因は、精神科に対するネガティブなイメージや偏見があるからだと考えています。昔に比べると、心の不調を訴えて自ら病院を受診する人は増えました。それでもまだ、内科などの診療科よりも精神科を受診するハードルは高いように思います。
体に不調を感じると、私たちは病院へ行きます。例えば怪我をすると整形外科、花粉症になると内科や耳鼻科を受診します。ところが心の不調になると、他の診療科のように気軽に精神科を受診できないと考える人が多いのではないでしょうか。骨折や捻挫をしたことがある人よりも、落ち込んだり悩んだことのある人の方が圧倒的に多いはずなのに、精神科には縁がないと思っている人はとても多いのが現状です。
Q: その現状を変えるには何が必要だと思いますか?
A: この現状を変えるためには、必要な支援や治療を受けてもらえるように、私たちが啓発活動をしていく必要性を感じています。もっと開放的で、本当の意味で”連携を図れる医療”が提供できればと思います。理想をいえば「誰に相談したらいい」ではなく「誰に相談しても」必要な支援につながる、そんな社会を目指したいです。
訪問看護「りばてぃ」概要
名称 | 訪問看護 りばてぃ |
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ジャンル | 精神科・児童発達障害特化型 訪問看護(ASD、ADHDなどの発達障害。不登校や引きこもり、対人関係に関する困りごとなど) |
営業時間 | 8:30~17:30 ※緊急時は24時間対応いたします。 |
電話番号 | 0930-55-6233 |
定休日 | 土曜・日曜 ※8/13~8/16,12/31~1/3はお休みです。 |
駐車場 | 有り(西側30mにある金屋月極駐車場「株式会社myplace」のスペースをお使いください。) |
住所 | 福岡県行橋市大字金屋851番地1 SKメゾンⅡ G号室 |
公式LINE | 訪問看護 りばてぃ |
ホームページ | 株式会社myplace |