暮らし

まるで宝石!みやこ町のあまおう農家「星の農園」

いちごの「あまおう」が美味しい季節です。
あまおうの名前の由来をご存知ですか? 「あまい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字をとって「あまおう」と名付けられました。「博多あまおう」は登録商標で、福岡県限定で生産されている全国的に有名ないちごです。

京築ママライターのあゆみです。
今回は縁あって福岡県京都郡みやこ町勝山にある、いちご農家さん「星の農園」を取材してきました!
宝石のような輝きを放つあまおうを育てている畑と、美味しいいちごを見分ける方法、とっておきのレシピもチョロっと紹介します。

あまおう農家「星の農園」のはじまり

勝山でいちご農園を営んでいる星野将之さん・道子さんご夫妻。元々は異業種で働いていたお二人ですが、道子さんの長年の希望だった農業を2人で始めようと決め、7年前に退職して福岡市からみやこ町に移住しました。
将之さんの前職は総合スポーツクラブの運営、道子さんは介護士でした。農業経験ゼロからのスタートだったそうで、苦労話をたくさん伺いました。

二手に分かれた準備期間

荒地だった土地に畑を作ることは、想像以上に大変な作業だったそうです。今はビニールハウスが並ぶ畑ですが、「はじめはお化け屋敷みたいだった」と将之さん。トラクターもまだ乗れなかったので、鍬(くわ)で作業をしていたのだそうです。重労働ですね。
一方道子さんは2年間の農業研修で専門用語や農作業の用具、肥料や野菜の品種など、学ぶことが盛りだくさん。机に座って勉強というのではなく、実際に自分で農作物を育てながら学ぶ研修です。

いちごに決めて走り出す

「体力には自信があったのに、クタクタ」で倒れ込むように帰宅していたと、ご夫婦で笑いながら話してくれました。
いちごを育てようと決めたのは、道子さんの農業研修が始まって1年半がたった頃。それから将之さんはビニールハウスの設営をはじめました。
体を動かすだけではなく、資料を読んで理解しなければなりません。独学で、大先輩にも教えてもらいながら、ひとつずつ積み上げてきました。道子さんが研修を終えて、2人で畑の作業をするようになってから、作業もはかどるようになりました。

あまおうを育てる

いちごを育てはじめて、3年間はうまくいかなかったそうです。毎年何かうまくいかないことがあって、次の年にそれを克服しても、また別の問題が発生したからです。しかしこのような経験を糧にして、今ではほら、写真のように眩しいほどのあまおうを収穫する農家へと成長しました。

いちご農家の1年

いちごの収穫シーズンは12月から5月の約半年間。この期間に1年分の収入を得ます。
残りの半年は、次の収穫までの作業があります。
収穫シーズンが終わるとすぐに、次期の苗作りが始まります。いちごは苗作りが大事だそうです。
「苗半作」といって、苗作りがうまくいくと作柄(農作物の生育または収穫高の程度)が決まるらしいのです。

苗作りで一年が決まる

5月ぐらいになると、いちごの株からランナーという長い茎が伸びてきます。このランナーから次期の苗を育てていきます。
ランナーが出始める頃はまだ果実をつけているので、実を採る株とランナーを伸ばす株を分けなければなりません。実をとる株から出てくるランナーをそのままにしていると果実に養分が十分に行かなくなるので、伸びてきたランナーを切る作業が発生します。
庭で育てているいちごとは違い、大量の株があるのですから、ランナーを切る作業は大変だと思います。

次期の苗を育てるためにランナーを伸ばす株は、下の写真にある場所に移します。いちごの苗は繊細で、水やりの手間がかかるとのこと。季節は夏なので、大事な時期は水を切らさないよう、3時間おきに苗の様子を見るそうです。

このように苗を育てるための棚を作り、作業効率をあげたそうです。8月までこの作業が続きます。

子育てのようにいちごを育てる

苗の準備ができたら、ビニールハウスで次の収穫に備えることになりますが、そのための畑の準備が必要です。1年間、休む間もなくいちごを育てているのですね。

毎年約1万株植えて、収穫は
6000Kgになるそうです!6tですね!すごい!!
愛情をかけて育てた苗が花を咲かせ、実をつけていくのを見守るのは、親心そのものなのではないでしょうか。

お話の途中、旅行へ出かけてもいちごのことばかり気になって、旅行を楽しむどころではなかったというエピソードも。まさに親ですね(笑)
お勤め時代は、曜日を気にして暮らしていたけれど、今は365日休みなしに働いていて、曜日よりも天気の方が大事だそうです。

働き者の従業員

そうそう、ビニールハウスには熱心に働く従業員の姿がありました。ミツバチです。
取材して写真を撮っている間にも、せっせとハウス内を飛び回り、受粉作業をしていました。
そしてミツバチがいるということは、ハチミツもあるということで、星の農園には「いちごのハチミツ」(非売品)もとれるのだそうです。いいなぁ、どんな味なんだろう。

美味しいいちごを見分け、買うには

いちごはやっぱり、樹上完着(果実全体が真っ赤になった状態)で摘んだものが美味しいのだそうです。スーパーでは、樹上完着したいちごを扱うのは難しいとのこと。
直売所では、樹上完着してから収穫したいちごが手に入ると教えてもらいました。

いちご農家の方に直接聞きたかったこと、「美味しいいちごの見分け方」を教えてもらいました。

新鮮かどうか

  • ヘタが反っている(水分を含んでいるから)
  • 果実のつぶつぶが凹んで見えるくらい、実がパンパンに張っているもの

甘いかどうか

  • ヘタの近くがひび割れている
  • 大きな実

星野さん夫妻が作る「星の農園」のいちごは、直売所で「JA福岡京築 いちご部会」という表示がついています。
いちご部会のあまおうは、私も直売所へ行って買いましたが、おいしかったです!

贅沢ないちごレシピ

いちご農家レシピをご自宅でもいかがですか?
シーズン終わりごろにだんだん価格が下がってきた頃が狙い目です。

【いちごシェイク】
材料:いちご、レモン汁、牛乳、はちみつ又は砂糖
1. ヘタをとってレモン汁をかけてジップロックに入れて冷凍する。
2. 冷凍いちご、牛乳、はちみつ又は砂糖をミキサーに入れて混ぜる。

【いちごドレッシング】
材料:オリーブ油、いちご、塩、こしょう
1. いちごを潰す。
2. オリーブ油、塩、こしょうを加えて混ぜる。

いちごのシーズンを楽しもう!

せっかく「博多あまおう」の産地に住んでいるのだから、採りたて新鮮で真っ赤な「あまおう」を美味しく食べましょう!
美味しいいちごの見分け方を知ってから、買ったいちごにハズレがなくなりました。
今年の夏は、いちごシェイクも作ってみようと思います^ω^

ABOUT ME
あゆみ
美容&医療ライター、美容・医療分野記事広告類の法令チェック・リライト、記事の編集・校正・校閲、薬事コンサルティング、西日本新聞社発行の地域情報紙「ファンファン北九州」ライター。過去に臨床検査技師から研究開発職にキャリアチェンジし、化粧品開発者として10年勤務後、大学で法学を学ぶ。 学生時代は英語オンチ、今は洋書オタク。趣味が高じて『ピーターラビットで学ぶ!英語イメージ楽読術』(主婦の友社 2014年)を商業出版。尼崎市出身、行橋市在住。「英語絵本の会」代表。