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400年前に細川家が造った日本ワインをみやこ町に復活!

2022年もあとわずかですね。みやこ町に壮大で夢のあるプロジェクトが誕生しました。今回はこのプロジェクトの実行メンバーの1人でもある私(あゆみ)が、詳しく紹介します。

ワインの歴史が覆るほどの発見がことのはじまり

細川家古文書永青文庫が所蔵する細川家の古文書(永青文庫の許可を得て掲載しています)

細川家の古文書から、400年前にみやこ町でワインが造られていたという記録が発見され、そのことが論文で発表されました。これまで日本ワインの製造は明治初期に山梨県で始まったとされていたことから、ワインに関わる人々とって、この発見は大きな衝撃でした。

さらに「記録があった」に留めず、実際に古文書に書かれていた原料「ガラミ」を使ってワインの製造が行われました。実現したのは地域おこしの活動をしている豊前国小笠原協会。「ガラミ」は学名エビヅルといい、ブドウよりも小さな実をつけるヤマブドウの一種です。地域に自生するガラミを探し出し、宮崎県にある五ヶ瀬ワイナリーの協力を得て、まずはハーフボトルを12本、次にフルボトルで1602本を製造しました。フルボトルを製造した際に、このぶどう酒を「ガラミ酒」となづけました。

歴史の検証からクラウドファンディングへ

古文書の記録を元に400年前に作られていた通りのぶどう酒の製造を試み、成功したところで終わるのはもったいないと考えた豊前国小笠原協会。このぶどう酒を地域の宝にするために、動き出しました。史実通りの場所で製造することが、本当の意味での「400年前のぶどう酒復活」だと考え、みやこ町犀川の大村地区にワイナリーを作ることにしたのです。

しかし実現するにはお金がかかります。そこでクラウドファンディングで全国から支援者を募ることにしました。これはお金の問題だけではなく、クラファンを通じて江戸時代初期にみやこ町で日本ワインが作られていたという事実を、多くの方に知って欲しかったのです。

クラウドファンディングのプロジェクトページ(下リンク)で詳細がわかります。ご支援も可能です!
クラウドファンディングのページ
(外部リンク・クラウドファンディングの会社READYFORのページが新しいタブで開きます)

江戸時代のみやこ町でなぜワイン?

小倉城小倉城 Photo ©️Kei Nomoto MMXXII

江戸時代といえば禁教令、キリスト教が禁止されていた時代です。当時、みやこ町は細川小倉藩が治めていましたが、実は小倉藩にはたくさんのキリスト教信者がいたのです。ぶどう酒(ワイン)はキリスト教には欠かせない物であり、ぶどう酒造りを命じた2代藩主・細川忠利の母は細川ガラシャ(玉)で、クリスチャンでした。1600年、関ヶ原の戦いが始まる直前に、壮絶な最期を迎えたガラシャの話は有名です。

そのような背景を知ると、細川小倉藩でぶどう酒の製造を行っていた事実に合点がいきます。ワイン造りはしばらく行われましたが、残念ながら忠利が熊本へ移ったことと、その後キリスト教への弾圧が厳しくなったこともあり、細川家のワイン造りは終わってしまいました。だからこそ地元に生きる私たちの手で、400年前のぶどう酒再興を実現したいと思っています。

在来種の「ガラミ」が原料のワインとは?

ワインの原料といえばブドウ。実は日本ワインといっても原料であるブドウは外来種のものを使っています。甲州のブドウは欧州が起源と言われています。細川家の古文書の記録に残っている「ぶどう酒」の原料はガラミ。これは古来から日本に自生するブドウの仲間です。ブドウよりも小さな実で色は濃く、そのためガラミで造ったワインはとても色濃く高貴な雰囲気が漂っています。アントシアニンもたっぷり含まれていて、健康にも良いです。

「みやこ町犀川大村地区」ここがワイナリー予定地

ワイナリー予定地ここが大村地区、ワイナリーの予定地

細川家古文書の記録から、犀川の大村地区でワインを造っていたことがわかりました。その地に細川家が造っていた400年前のぶどう酒を復活させるために、ワイナリーを作ります!そのための資金集めと広く細川家のぶどう酒の歴史を知ってもらうために、クラウドファンディングを立ち上げました。

すでにガラミを栽培する土地と醸造所は、大村地区の方々のご理解と地主さんの協力により、確保しています。あとは畑の整備と醸造のための備品購入費用が必要です。

400年前にガラミで造ったぶどう酒「ガラミ酒」の復活へ

ガラミ酒クラウドファンディングの返礼品「ガラミ酒」(日本ワイン)

みやこ町に400年前のぶどう酒造りを復活させる夢を実現するためには、皆様の応援・ご支援が必須です。1人でも多くの方にこの取り組みのことを届け、ご支援いただくことでみやこ町に眠った素晴らしい歴史を形にして残すことができます。

まだまだ自然がたくさん残る犀川。この地に現在と過去をつなぐ新たな拠点を作りたい!もっとみやこ町が好きになるために、もっとみやこ町を元気にするために。

※ 支援コースに、返礼品にガラミ酒をお送りするコースがあります。今回の返礼品は、3年樽で寝かせたワイン。以前私がしろテラスで購入したガラミ酒とは、また違った熟成されたお味が楽しめるとのこと。楽しみです。

クラウドファンディングのページには、ガラミ酒の歴史やクラウドファンディング立ち上げまでの経緯、ワインの特徴などが詳細に書かれています。ぜひご覧いただき、このページ(下記リンク)からご支援もいただけるととても嬉しいです。
クラウドファンディングのページ(外部リンク、クラウドファンディングの会社READYFORのページが新しいタブで開きます)

ガラミ酒クラファン実行メンバーと関係者

よろしくお願いいたします。

ABOUT ME
あゆみ
美容&医療ライター、美容・医療分野記事広告類の法令チェック・リライト、記事の編集・校正・校閲、薬事コンサルティング、西日本新聞社発行の地域情報紙「ファンファン北九州」ライター。過去に臨床検査技師から研究開発職にキャリアチェンジし、化粧品開発者として10年勤務後、大学で法学を学ぶ。 商業出版を経験『ピーターラビットで学ぶ!英語イメージ楽読術』(主婦の友社 2014年)、現在はブックライターとしても活動。尼崎市出身、行橋市在住。「英語絵本の会」代表。