前回私が担当した今川河童駅の記事で、河童ブームの火種になった今川郵便局の「カッパコンテスト」を紹介しました。今回は、「カッパコンテスト」を企画した今川郵便前局長の柏木秀樹さんにお会いして伺ったお話をまとめました。その他びっくりするほどたくさんの創作物も見せていただいたので、一部写真で公開します!
創作意欲が半端ない柏木秀樹さん
今川郵便局長だった柏木秀樹さんは在職中、独創的なアイデアで地域の人たちに楽しんでもらえるようなイベントなどに取り組んでいました。その活動により、今川郵便局は地域住民に愛される存在になりました。退職した柏木さんは、自由な時間を創作に注いでいます。今回の取材で、これまでの創作物を見せていただいたので、後で作品の一部を紹介します。
この他には「今川カッパ石窯」という名の石窯を作り、天然酵母を使ったパン作りもしているそうです。パンは全て家族で食べるために作っていて、販売はしていないとのことです。残念><;
なぜ「カッパコンテスト」?
今川河童駅が誕生するきっかけになった、カッパブームの火種「カッパコンテスト」ですが、なぜ郵便局が「カッパコンテスト」を開催したのか、そもそもなぜカッパだったのでしょう。
「なぜカッパ?」と疑問を投げかけてみたのですが、カッパに対してものすごい思い入れがあるというわけではなく、この地域にはカッパ伝説がありなんとなくカッパに興味が湧いたからだそうです。それにしても自宅前の創作物に「カッパおじさん」と書くほど。石窯にカッパと名付けたり、かなりのカッパ好きなのではないかと推察します。
第1回今川カッパ大賞作品集
上の写真は、「第1回今川カッパコンテスト」で応募があった絵438点、お話78点の中から、受賞者の作品を集めた冊子です。冊子に書かれた日付は平成2年(1990年)6月11日となっています。30年以上前のことなので、受賞した頃小学生だった人たちはもう大人になっていて、親になっている人がいてもおかしくありません。
そう考えると、この冊子がとても大切に思えてきます。
カッパ筆という名の葦筆
カッパブーム、そして今川河童駅が誕生した後も、柏木さんのカッパ活動は止まりません。次は「カッパ筆」の普及に乗り出します。カッパ筆とは、水辺に生えている「葦」(アシ、またはヨシ)で作った葦筆のことです。平成4年(1992年)7月6日〜8月31日まで、第1回天の川書道展が開かれました。
天の川書道展の冊子に掲載された作品を見ていると、葦筆(カッパ筆)で字を書いてみたくなりました。柏木さんにいただいたカッパ筆で書いた動画を、またまた懲りもせず(汗)作りました(^^;
今川カッパ美術館
今川カッパ美術館をご存知ですか?今川郵便局の入り口を入ってすぐの場所、小さなスペースですが、壁一面に展示物があります。
柏木さんが郵便局長の時から始まり、当時はカッパ筆で書いた書やカッパ大賞の作品などを展示。現在は地元住民に向けた地域情報を展示しています。
The今川の橋ウォッチング
柏木さんの手書き資料を見せていただきました。それが上の写真ですが、今川にかかる57の橋について書かれています。自分の足で歩いて調査して記録するという、地道な活動を楽しみながらされています。丁寧に手書きされた資料を見て、これは後々まで残したいと思いました。
今川&稗田かいわい探検地図
そしてこちらも驚きの今川&稗田かいわいの地図。こちらも自分の足で歩いて、距離感がわかるように歩いて何分かかるかも記されています。見どころスポットも面白い視点で記録されていて、このマップを見ながらこの地域を散策すると、楽しいだろうなと思いました。やはりこれも貴重な資料です!ぜひ今川小学校や稗田小学校のフィールドワークで活用してもらいたいです。
創作が止まらない!
今川郵便局を退職後も、柏木さんの創作意欲は衰えませんでした。退職した年、2005年12月には自宅に石窯を作りました。また2011年にはギャラリー「モンマルトル桜」を開設。ギャラリーや家の周りには、さまざまなオブジェが。
今川カッパ石窯
上の写真が柏木さんが作った石窯です。石窯にも「今川カッパ」というネーミング。この釜で、天然酵母・全粒粉・国産の小麦粉を使ったパンを焼いています。美味しそうですね!
ギャラリー「モンマントル桜」
ギャラリー「モンマルトル桜」は、今川郵便局前にあります。ギャラリー内には写真のように、数々の絵などの創作物や、今川郵便局の取り組み、河童ブームや今川河童駅を取り上げた新聞記事などが丁寧にファイルし保管されています。非常にたくさんの資料が綺麗に整理されているのを見た時、人生は短く感じるようでも実は私たちには、たくさんのことを行ってそれを形にして残す時間を過ごしているのだと感じました。
ギャラリー内には柏木さんの作品だけではなく、ご家族の作品も展示されていました。ここに来ると、柏木さんが地域と共に生きてきた軌跡を見ることができます。本当に素敵な空間でした。
柏木さんは二科展にも出展されていた時期があり、1974年〜1988年で14回入選した実績の持ち主。一体どこからこの創作意欲が湧いてくるのでしょう。
河童伝説とともに暮らす
およそ10年前に関西から引っ越してきて、ずっと気になっていた「今川河童駅」のことを今年の初めになって調べ始め、すぐに引き合わせていただいた柏木さん。地元愛から生まれたカッパへの愛は、創作活動に現れています。バイタリティあふれる柏木さんにお会いしてお話を伺い、さまざまな創作物を見せていただき、コツコツと好きなことを続けた軌跡の美しさを見ることができました。
今度時間を作って、自転車で「今川&稗田かいわい探検地図」をめぐってみたいと思います!その時はまた、報告しますね。